
〈懐かしのテレビ吹替版〉
吹替声優:
池田昌子(オードリー・ヘプバーン)
城達也(グレゴリー・ペック)
山内雅人(エディ・アルバート)
広川太一郎(パオロ・カルリーニ)
オードリー・ヘプバーンのハリウッド・デビュー作にして、映画史に残る永遠の名作。ローマを舞台に若く美しい王女と新聞記者の束の間の恋を描く。グレゴリー・ペック共演。
小国の王女アンは、親善旅行でローマを訪れた。重なる固苦しい日程で神経衰弱気味のアンは鎮静剤を服用する。その後、アンはひとりで街へ出かけるが、途中で薬が効いてきて広場のベンチで眠り込んでしまった。そこへ通りかかったアメリカの新聞記者ジョーは、彼女を王女とは知らずに助け、自分のアパートへ連れ帰った。翌朝、彼女が王女であることを知ったジョーは、特ダネ記事にしようと、アンのローマ見物の案内役を引き受ける。

〈ノーカット吹替版〉
吹替声優:
池田昌子(オードリー・ヘプバーン)
小山力也(ヘンリー・フォンダ)
井上倫宏(メル・ファーラー)
青羽剛(ヴィットリオ・ガスマン)
文豪レオ・トルストイの名作をオードリー・ヘプバーン主演で映画化。19世紀、帝政ロシアのフランス軍侵攻による大戦闘を背景に貴族の私生児と伯爵令嬢の愛情劇を描く。
19世紀初頭、帝政ロシア。ベズコフ伯爵の庶子であるピエールは、フランス革命精神の象徴としてナポレオンを尊敬していた。ピエールは親しくしているロストフ伯爵家の娘ナターシャがお気に入りで、ふたりは兄妹のように仲が良かった。ある時、無二の親友アンドレイ公爵からの報せで、危篤に陥った父の病床へ急ぐ。父の死後、ピエールは広大な領域を受け継いだ。するとクラーギン公爵は娘ヘレーネに彼を誘惑させることを思いつく。

〈懐かしのテレビ吹替版〉
吹替声優:
池田昌子(オードリー・ヘプバーン)
久松保夫(バート・ランカスター)
愛川欽也(オーディ・マーフィ)
野田圭一(ジョン・サクソン)
オードリー・ヘプバーン主演の西部劇。『黄金』のジョン・ヒューストン監督が、娘の出生を巡る悪い噂により、開拓者一家が苦難に満ちた運命に巻き込まれていく様を描く。
テキサスの平原に牧場を営むザカリー一家は、長男のベン、次男、三男、母親、養女レイチェルの5人で平穏に暮らしていた。近隣の牧場主ゼブ・ローリンズは、レイチェルを長男の嫁にと考えていた。そんなある日、亡き父のかつてのパートナー、ケルシーによって、一家の悪い噂が流される。一家は人々の疑惑の中でひっそりと暮らした。しかし、カイオワ族インディアンの首領ロスト・バードが、幼い時に別れた妹を返せとやって来る。

『噂の二人』
『噂の二人(懐吹)』
1961年 アメリカ
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:オードリー・ヘプバーン/シャーリー・マクレーン
ジェームズ・ガーナー/ミリアム・ホプキンス
〈懐かしのテレビ吹替版〉
吹替声優:
池田昌子(オードリー・ヘプバーン)
武藤礼子(シャーリー・マクレーン)
福田豊土(ジェームズ・ガーナー)
七尾伶子(ミリアム・ホプキンス)
オードリー・ヘプバーン、シャーリー・マクレーン共演。同性愛者と誤解された女性の悲劇的な運命を描いた戯曲を、『ローマの休日』のウィリアム・ワイラー監督が再映画化。
学生時代からの親友で、寄宿制私立学校を共同経営するカレンとマーサ。カレンは医者のジョーと婚約をしたばかり。そんな折、学校嫌いの問題児メリーが家へと逃げ帰り、そのまま学校に戻りたくないため、カレンとマーサが同性愛者であると祖母に訴える。噂はたちまち広まり、親たちが学校から子供たちを引き取ってしまい…。『ローマの休日』のウィリアム・ワイラー監督が1936年に映画化した『この三人』をセルフリメイク。

〈懐かしのテレビ吹替版〉
吹替声優:
池田昌子(オードリー・ヘプバーン)
小林勝彦(ベン・ギャザラ)
内田稔(ジェームズ・メイソン)
小宮和枝(ミシェル・フィリップス)
オードリー・ヘプバーン主演でシドニー・シェルダンの小説『血族』を映画化したサスペンス。大手製薬会社社長の財産を受け継いだ娘が何者かに命を狙われていく様を描く。
ロフ製薬の社長サム・ロフが、アルプスのガルミッシェ登山中に事故死した。ロフ製薬はサム一代で築きあげられた大企業で、今日まで彼の意志でわずか数名のロフ一族血縁者で保たれていた。ニューヨークに住むサムの一人娘エリザベスは大株主として財産を受け継いだ。その後、チューリッヒの本社会議室に、株主である他の血縁者たち全員が集まった。エリザベスはそこで、自分が新社長としてロフ製薬の経営を受け継ぐことを宣言する。

〈ノーカット吹替版〉
吹替声優:
池田昌子(オードリー・ヘプバーン)
小川真司(ゲイリー・クーパー)
山野史人(モーリス・シュヴァリエ)
辻親八(ジョン・マッギーヴァー)
オードリー・ヘプバーンとゲイリー・クーパー共演のロマンティック・コメディ。世界的プレイボーイを翻弄する好奇心旺盛な少女の恋心を、軽快なテンポと粋な演出で描く。
好奇心旺盛な音楽院の女学生アリアーヌは、私立探偵の父が調査していた依頼人の妻の浮気相手で、プレイボーイとして有名なアメリカの大富豪フラナガンに関心を持つ。依頼人がフラナガンを殺そうとしていると知ったアリアーヌは、フラナガンが依頼人の妻と密会しているホテルに潜入。機転をきかせて依頼人の妻をホテルから逃がし、凶行を阻止する。危ういところを救われたフラナガンは、お礼にアリアーヌをデートに誘うが…。

〈ノーカット吹替版〉
吹替声優:
池田昌子(オードリー・ヘプバーン)
久米明(ハンフリー・ボガート)
近藤洋介(ウィリアム・ホールデン)
坂口芳貞(ジョン・ウィリアムズ)
巨匠ビリー・ワイルダー監督がオードリー・ヘプバーンを主演に迎えて贈るラブ・コメディ。パリで洗練された娘と大富豪兄弟の恋模様を描き出す。ハンフリー・ボガート共演。
大富豪ララビー家のお抱え運転手の娘サブリナは、ララビー家次男のデイヴィッドに恋心を抱いていた。しかし父に反対され、パリの料理学校に通わされることになる。それから2年後、サブリナは完璧なパリ・スタイルを身につけ、美しい女性となって帰ってきた。女好きのデイヴィッドはそんなサブリナにたちまち恋をする。ところがデイヴィッドの兄で事業家のライナスは、このままではいけないとサブリナを再びパリに送ろうと企てる。

『パリの恋人』
『パリの恋人(吹)』
1957年 アメリカ
監督:スタンリー・ドーネン
出演:オードリー・ヘプバーン/フレッド・アステア
ケイ・トンプソン/ミシェル・オークレール
〈ノーカット吹替版〉
吹替声優:
池田昌子(オードリー・ヘプバーン)
小川真司(フレッド・アステア)
谷育子(ケイ・トンプソン)
石塚運昇(ミシェル・オークレール)
オードリー・ヘプバーンとフレッド・アステアが共演したミュージカル。パリを舞台に、雑誌モデルとカメラマンの恋を描く。監督は『雨に唄えば』のスタンリー・ドーネン。
古本屋で働くジョー・ストックトンは、カメラマンのディック・エヴリーに、ニュー・ヨークのファッション雑誌『クォリティ・マガジン』の新しいモデル“ミス・クォリティ”としてスカウトされる。“共感主義”の哲学を崇拝していたジョーは、パリに行けば主宰のフロストル教授に会えると思い、モデルになることを承諾する。パリに着き、“ミス・クォリティ”お披露目の夜、教授の講演を聞くために、ジョーは裏街のカフェを訪れる。

『シャレード』
『シャレード(懐吹)』
1963年 アメリカ
監督:スタンリー・ドーネン
出演:オードリー・ヘプバーン/ケーリー・グラント
ウォルター・マッソー/ジェームズ・コバーン
〈懐かしのテレビ吹替版〉
吹替声優:
池田昌子(オードリー・ヘプバーン)
中村正(ケーリー・グラント)
富田耕生(ウォルター・マッソー)
小林清志(ジェームズ・コバーン)
オードリー・ヘプバーンとケーリー・グラントが共演した軽妙洒脱な傑作ロマンティック・ミステリー。美しい未亡人が、25万ドルを巡る陰謀と殺人事件に巻き込まれていく。
夫との離婚を決意したレジーナは、旅行先のスキー場でピーターと名乗る男性と出会い、心惹かれる。しかし、パリの自宅へと戻ったレジーナを待っていたのは、夫が殺されたという知らせだった。葬儀の会場には見知らぬ3人の男たちが現れ、大使館では夫が戦時中にその男たちと共謀して25万ドルもの大金を隠匿するも、それを一人で持ち逃げしようとしたために殺されたと知らされる。さらにレジーナも3人の男たちから脅迫され…。

『ローマの休日』で華麗なスクリーンデビューを果たしたオードリー・ヘプバーン。
その後も数々の映画に出演し、世界中の人々を魅了する女優となりました。
日本でもその人気ぶりは相当なものでした。 2016年に創刊70周年を迎える映画雑誌「SCREEN」では、毎年“ゴールデングランプリ”という人気投票を実施。 過去64回のうち、オードリー・ヘプバーンは14回も一位に選ばれています。 まさに、“永遠の恋人”として日本の映画ファンに愛されていたのです。
そんな彼女の映画が公開された当時、「SCREEN」にて掲載された映画評論家による『ローマの休日』の鑑賞手引きと、オードリー・ヘプバーンが表紙を飾った当時の表紙を特別に公開。 映画と合わせて、お楽しみください。
「ウィリアム・ワイラ―からスピルバーグまで オードリーを愛した名監督たち」
イマジカBSで放送する8作品に加え、オードリー・ヘプバーンの代表作の鑑賞手引きは、近代映画社発行「ウィリアム・ワイラ―からスピルバーグまで オードリーを愛した名監督たち」に掲載されています。全国の書店、または下記のオンライストアよりお買い求めください。
価格:2,160円(税抜き2,000円)
http://screenstore.jp/shopdetail/003012000012/


オードリー・ヘプバーン役 池田昌子さん 特別インタビュー
イマジカBSで放送する
9作品すべてで、
オードリー・ヘプバーンの吹替えを
担当されている池田昌子さんに、
一挙放送に先立って
インタビューを行いました。
その模様を特別に公開!

―― オードリー・ヘプバーンの声を長くご担当されていますが、ヘプバーンという女優についての印象を教えてください。
『ローマの休日』で彼女の声をアテることになり、改めて作品を拝見したときは、この世のもとは思えない美しさにただ圧倒されました。美人であるだけでなく、演技もお上手でしたね。 月並みな言い方になりますが、彼女の内面の素晴らしさがあってこそ、その輝きがあると感じました。
―― 最初にヘプバーンの声をご担当されたのは『許されざる者(’60)』ということですが、吹替えのお話が来た時はどう思われましたか。
『許されざる者(’60)』は、『ローマの休日』のような作品と比べると、彼女の印象が微妙に違いました。 彼女のみがクローズアップされるストーリーではなくて、一人の登場人物としての彼女のいじらしさ、健気さが伝わってきて、それだけで私はオードリーの大ファンになりました。 本当に素敵な女優さんだなと思います。 作品としても好きですね。
実は『許されざる者(’60)』で声を担当する前は、私はヘプバーンのことをあまり意識していませんでした。 『ローマの休日』は映画館で観たことはあったのですが、声をアテるようになってからの衝撃的な印象とは異なって、女優としての彼女を客観的にみていた気がします。

―― 今回の特集では、『噂の二人』『華麗なる相続人』『シャレード』など、吹替版ではソフトに収録されていない作品があり、すべて池田さんのお声で観ることができます。 それぞれの作品について、作品のご感想や、収録当時の思い出をお聞きかせください。
オードリーの作品はどれも好きですが、『ローマの休日』は別格として、『噂の二人』が好きですね。 相手役のシャーリー・マクレーンも実力のある女優ですが、オードリーも堂々と演技でわたりあって、名女優として輝いていました。
『ローマの休日』の収録では、美容師の声を広川太一郎さんが担当していましたが、アドリブを入れるのがとてもお上手な方で、やり取りがとても面白かったのを覚えていますね。 当時の洋画の吹替え収録では、一度フィルムで試写を皆で観て自分の役と台本をチェックして、その後にスタジオで収録というシステムでした。 今のように本編の入ったDVDを渡されて、家で十分に練習してから現場に臨むという形ではなかったんですね。
一度の試写の後はスタジオで真剣勝負ですから、余裕がなくて、滅多にアドリブを入れないんですが、広川さんの台本を見るとすごい書き込みがされていて、それがアドリブ用のセリフなんです。 本番までに何度も読み込んで、熟考を重ねたんだろうなって思いました。 軽快でユニークなキャラクターをすることが多い方だったんですけど、すごく真面目で、すてきな方でした。 相手としてとてもやりやすくて、印象に残っている俳優さんです。

―― 総力特集「オードリー・ヘプバーン」の紹介番組のナレーションを収録していただきましたが、ヘプバーンの自伝から引用した彼女自身の言葉をヘプバーンになりきって喋っていただきました。 ご感想をお願いします。
彼女の自伝は割と読んでいます。妥協せずに真摯に自分の仕事に向き合うオードリーの姿勢は、本当にすてきで、そういった彼女の魅力が言葉の端々に出ていると思いました。彼女の魅力はちょっとした仕草や演技に出ています。映画の中の笑顔は作り笑いではなく、本当に心から笑っているんです。そんなオードリーの笑顔を見る度に、「あぁ、これが彼女の人柄なんだろうな」と感じました。私は彼女が年を取って、きれいさや可愛さがなくなっても、ずっと声をアテていきたいと思っていましたね。
―― ヘプバーンの声をアテるときに、気をつけていらっしゃることなどがあれば教えてください。
私は、「ヘプバーンだから」「この人だから」という形にあてはめて声をアテようと考えたことはなく、あくまでもスクリーン上で演じている女優さんにいかに近づけるか、合わせられるかを意識しています。 他のヨーロッパの女優さんと比べると、ヘプバーンは本当に素直に気持ちを乗せさせてくれるんです。 彼女が、形からではなく、心から芝居をしていたからなんでしょうね。
女優さんによってはどうしても息が合わないこともあるんですけど、ヘプバーンに関しては全くそういうことがなかったんです。 本当に素直に、彼女の芝居に乗っていけるんです。 彼女以外でそういった経験はなかったので…。 彼女の感覚が、日本人に合っていたんじゃないかと思います。 ある程度、彼女の演技の予想がつくということもありましたし、幸いなことに彼女の演技に対して、「え、どうして?」と思うようなことはありませんでした。 彼女の台詞の息遣いが、日本人の私に合っていたんだと思います。
―― 今回の特集をご覧になる方へのメッセージをお願いします。
そんなに本数は多くないので、ぜひ全部ご覧ください(笑)。 ヘプバーンがいかにすてきな女優だったか、お分かりいただけると思います。 『ローマの休日』は別格ですので、これだけでも観ていただきたいと思います。 私の好みで言うなら、『噂の二人』をおすすめしたいですね。

池田昌子(いけだまさこ)
声優・女優・ナレーター。
1939年1月1日生まれ。東京都出身。
声優業が専業として確立する以前から、声優という職能を確固たるプロとして考えている数少ない人物。オードリー・ヘプバーンの吹替えを数多く担当し、『銀河鉄道999』のメーテル役など、幅広く活躍中。
