「濡れシャツを着たコリン・ファースのような」――この言葉は、英国で“セクシーな男性”を意味する表現として使われているそうです。語源となったのは、英国を代表する女流作家ジェーン・オースティンの傑作小説をBBCがドラマ化した『高慢と偏見』(1995年)のワンシーン。英国男優コリン・ファース扮する“ミスター・ダーシー”が濡れた白いシャツを身にまとって湖から出てくる、言わずと知れた名シーンです。この“ミスター・ダーシー”役で英国中を熱狂させ、「放映時間には街から人が消えた」という伝説を生み出すほどの大ヒットを飛ばしたコリン・ファースは、一躍人気スターの座へと登り詰めました。
その後も、『高慢と偏見』に影響を受けた小説を原作とする映画『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ2作(2001年・2004年)に、“ミスター・ダーシー”がモデルとなった“マーク・ダーシー”役で出演。『シングルマン』(2009年)で第82回アカデミー賞主演男優賞にノミネート、『英国王のスピーチ』(2010年)で第68回ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞しました。さらに『キングスマン』(2015年)ではハードなアクションを披露するなど、今なお活躍を続けています。
1960年9月10日生まれ、イングランド・ハンプシャー州出身。『ブリジット・ジョーンズの日記』で共演した同い年のヒュー・グラント(しかも生年月日は一日違い!)と共に英国男優ブームの一時代を築いたコリン・ファースも今年で55歳を迎えますが、年齢を重ねるごとに新たな魅力でファンを魅了し続けてきました。そんなコリン・ファースの過去から現在、そして未来へとつながる様々な魅力に迫ります。
Part1. 元祖・英国王子(プリンス)の輝き
『高慢と偏見』で完璧な“ミスター・ダーシー”像を作り上げ、セクシーな濡れシャツ姿で英国中の女性たちを虜にしたコリン・ファースは、当時35歳。プライドと偏見に邪魔されながらもヒロイン・エリザベスに熱い眼差しを送る、不器用でひたむきな青年紳士をクールかつ情熱的に演じた若き日の彼は、まさに「王子(プリンス)」の輝きを放っていました。
Part2. 英国貴公子は大人の魅力
『ブリジット・ジョーンズの日記』でコリン・ファースが演じる“マーク・ダーシー”は、ヒュー・グラント扮するプレイボーイのダニエルとは対照的な、“超”が付くほど生真面目で不器用だけれど誠実なバツイチ弁護士です。演じるコリンも中年の40代に差し掛かり、華やかさよりも大人の気品と落ち着きを感じさせる、「貴公子」然とした品格が漂います。
Part3. 円熟味を増した英国紳士の風格
『英国王のスピーチ』でついに50歳を迎えたコリン・ファースは、キャリアに裏付けされた説得力のある演技で“実力派俳優”としての地位を確固たるものにしました。年齢を重ねて外見・実力ともに円熟味を増し、さらなる気品と貫禄を兼ね備えた姿は、まさに老練な「英国紳士」の風格です。
今年公開の映画『キングスマン』では、50代にしてキレッキレのハードなアクションに挑戦したコリン・ファース。かつて一世を風靡した“濡れシャツを着たコリン・ファース”から、円熟した“実力派俳優”へと華麗なる転身を遂げた彼が、次に目指すものは一体何でしょうか。年齢を重ねるごとに様々な魅力でファンを魅了し続けるコリン・ファースから、今後も目が離せません。
コリン・ファース出演作 放送スケジュール
9月10日のコリン・ファース誕生日に代表作を一挙放送!
9月10日(木) 6:00~12:00 『高慢と偏見 [HDリマスター版]』 全6話一挙放送!
9月10日(木) 14:30~16:30 『ブリジット・ジョーンズの日記』
9月10日(木) 16:30~18:30 『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』
9月10日(木) 18:30~20:50 『英国王のスピーチ』