『スーパーナチュラル』のジェフリー・ディーン・モーガン、『オブリビオン』のオルガ・キュリレンコが、高級ホテルのオーナーとその妻を華麗に演じる話題のサスペンスドラマ。製作総指揮・脚本を務めるのは『リクルート』『大いなる遺産』など上質なハリウッド映画の脚本家として知られるミッチ・グレイザー。
物語の舞台は1959年マイアミビーチ。高級ホテルのオーナー、アイク・エヴァンスの大いなる野望と、それに巻き込まれる人々の壮絶な権力闘争が描かれる。50年代アメリカのセレブ生活も華麗に描かれており、衣装やクラシックカーのゴージャスさは超一級。フランク・シナトラら時代を象徴するアイコンも登場し、見る者の興味を刺激する。
アメリカでは2012年に『スパルタカス』を大ヒットさせたケーブル局STARZで放送され、大人の視聴者の心をつかみ、シーズン継続が決定。2013年6月から放送のシーズン2には『ゴッドファーザー』の名優ジェームズ・カーンも出演しており、権力闘争も激しさを増していく。
1959年、マイアミビーチ。キューバ革命が起き、フィデル・カストロによる革命政権が誕生したその年。キューバと隣接するマイアミは、動乱の時であると同時に、ケネディ家からギャングのボスまで、あらゆるセレブが訪れる人気リゾート地でもあった。アイク・エヴァンスは彼がオーナーを務める高級ホテル“ミラマー・プラヤ・ホテル”で新年を迎えていた。昼はダイビングにダンスレッスン。夜は浜辺のカバナで葉巻をくゆらせる。人気歌手を呼んで迎える新年のパーティ。若く美しい後妻と３人の息子に囲まれ、彼は人生の絶頂にいるかに思えた。しかし、ホテルの共同出資者ベン・ダイヤモンドとの関係が、彼の人生に暗い影を落とす。ベンはシカゴ出身の富豪だが、非合法ビジネスや犯罪に手を染める危険な人物であった。夢をのせて成長してきたマイアミビーチで、自らの”城”と家族を守るため、アイクの孤独な闘いが幕を開ける。
1950年代のアメリカは、本土にほとんど被害が及ばなかった唯一の戦勝国として大いに繁栄した。アメリカンドリームやアメリカ黄金期と呼ばれる時代で、高級ホテルや高級車など、豊かさを象徴するものが次々と生み出されていった。
『マジックシティ 黒い楽園』の舞台となるのは1950年代後半のマイアミビーチ。第二次大戦後、マイアミは観光リゾート地として栄え、高級ホテルの建設が進んだ。立ち並んだホテルでは、フランク・シナトラやディーン・マーティンなど多くのエンターテイナー達のショーで賑わった。ラジオショーやテレビショーが放映され始めたのも50年代から。夏はニューヨーク、冬はマイアミから放映されるショーは定番となり、これらのショーはマイアミビーチの宣伝に大いに貢献し、ますます賑わいを増していった。
ケネディ家からギャングのボスまで、あらゆるセレブリティが訪れた観光リゾート地マイアミだが、50年代後半から暗雲が立ち込める。1959年1月1日、カストロによるキューバ革命政権が誕生。キューバからの麻薬密売ルートを失ったギャング達は代わりの収入源を得るために、マイアミの高級ホテルに目を付ける。時おりしもジョン・F・ケネディ政権が誕生し、司法長官ロバート・ケネディによる組織犯罪の撲滅作戦が展開され始めた頃でもあった。
