ある夏の終わり。中学2年生の赤石千織（ちおり）は学校にも行かず家に引きこもっていた。
学校ではトラブルに巻き込まれ、両親は、母の浮気が原因で最近離婚したばかり。
面白くないことばかりの千織は鬱屈する気持ちを抱えたまま日々を過ごしていた。
唯一の憂さ晴らしと言えばノートに思いのたけを書きなぐることぐらいだった。

ある日、家で暇を持て余していた千織は、長いこと空き家だった隣の家に誰かが越してきているのに気づく。
一人暮らしの隣人もまた千織と同じように引きこもっているようだった。謎の隣人の気配を唯一感じられるのは、庭先にある植物に水をあげる朝と夕方の時間だけ…。
千織はそれを観察し、ノートに書きはじめる。

やがて、謎の隣人と窓越しで会話をするようになる千織。
隣人は千織の周りにはいない、不思議な雰囲気を醸し出していた。
千織は隣人の影響で映画を見はじめ、やがて隣人との会話に居心地のよさを感じるようになっていく…。