２００３年…シェフとして男性と同等に評価されることを渇望し、自分には何が足りないのか？と思い悩む涼子。

そんな折、行きつけの居酒屋店員、カナダ人留学生「ジャニス」の助言により、自分にしかできない何かを探す為にカナダへ向かう。

ジャニスの紹介してくれた中野マイク、リンダ夫妻が経営するＢ＆Ｂで働き始める涼子は、徐々に生来の明るさや前向きさを取り戻し、いつしか自分の店を持ちたいという“夢”が膨らみ始める。

自分の店を持つということ…それは、マイク、リンダ夫妻との別れを意味し、彼らを裏切るということになってしまうのではないか…と思い悩む涼子。しかし、二人の温かい後押しで自分の夢を実現させる為にバンフを去る。

それから２年。奈津美の恋人「順平」がカメラ修行でバンフを訪れる。生計を立てるため、アルバイト探しに街を奔走するが、英語の話せない日本人は相手にされず路頭に迷っていた。

そんな時、かつて「涼子」が世話になった「リンダ」と出会いをきっかけにB&Bに住み込みで働かせてもらうことになる。

順平はB&Bの仕事をしながら、バンフの街頭で観光客の写真を撮る生活を送っていた。そんなある日、カナダで撮った写真が日本のコンクールで入賞したとの知らせを受け順平は、恋人の「奈津美」を連れて再びカナダを訪れることをマイクとリンダ夫妻に約束し帰国の途に。

－2012年。奈津美は、順平が愛し、愛された場所。彼の見た風景、彼を照らした光、そのすべて感じたいと考えカナダを訪れる。順平が撮った写真を頼りに、彼の足跡を辿る奈津美。

そして、中野マイク・リンダ夫妻に順平が事故で亡くなったことを告げる。 涼子はカナダで自分の店を開き夢を叶えていた。

彼、仕事、家族…どこにも自分の居場所がなく涼子を訪ねた彩夏。

やがて3人は、「カナダの大地」「自然」そして「人の温もり」に触れ、それぞれの自分に足りない「愛」が何か？を気付かされていく。